非正規労働者として思うこと
最近立て続けに、非正規労働者による「正規労働者との格差」についての裁判のニュースをテレビや新聞で知りました。
私はいわゆるロスジェネ世代で、就職超氷河期に大学を卒業しました。
実際正社員になれないまま卒業する友達も数名いましたし、私も不景気を言い訳にしてワーホリに旅立った1人。
これまで、正社員~アルバイトまで、色々な形で労働してきました。
現在も非正規で働いています。
ニュースでやっていたのは、非正規の職員に正規職員と同等の仕事や責任を持たせておいて待遇が違うのはおかしい!というケースだったと思うのですが、それは確かにおかしいと思います。
ただ、私の経験上、やはりその職場で働けるまでの道のりが正規と非正規では違うと思うんです。
分かりやすく言うと、やはり正規の職員の方がそれなりに学歴が高い人が多かったり、それなりの倍率を勝ち抜いて入社しているのに対し、非正規職員は入社試験そのものがなかったり、あっても簡易的なものだったり。
別に学歴が高い方がえらいと言いたいのではありません。
個人的には「その仕事ができるかどうか」には学歴は関係ないと思っています。
ただ、最初から非正規職員としてその条件を呑んで働いていたはずの人たちが「やっぱりこれっておかしいよね!」と裁判まで持ち込んだことに少なからず衝撃を受けたのです。
私にとってこれまで非正規で働くということは「正規への諦め」ではなく「自主的な選択」である事が多かったのです。
非正規である事によって「より簡単に、自分にとってより好都合な条件の元で働くこと」ができたからです。
正規職員としてばりばり働いてその分の給与や保証を得るか、非正規としてほどほどに働く代わりに保証はない方を選ぶか。
そういう考え方しかして来ませんでした。
今回訴訟を起こした人たちはどういう経緯で非正規で働いていたのでしょう。
もしかしたら私と同じ考えで非正規として働き始めた人もいたのかもしれません。
なのに実際働いてみたら正規職員と同じように責任を負わされ、同じだけ、またはそれ以上の労働を求められたのかもしれない。
今回のニュースで、色々考えてしまいました。
でも「仕方ない」と思って腑に落ちないのに多くの人が諦めていたことに対して、こうして立ち上がった人たちはすごいと思います。
こういう人たちがいるおかげで、これまで色んな事が改善されてきてるわけだから。
今回残念ながら敗訴になったケースもありましたが、それでもこの方の訴えた事は無駄じゃないし、これによって動き出したものは必ずあると思いました。
今の時代、もっといろんな働き方があっていいと思うし、どんな立場であれやった仕事に値して正当な評価がもらえる社会であるべき。
今の私の仕事はどうだろう。
私が受けている待遇は私の仕事に見合っているのだろうか。
自戒の意味も込めて、もう一度見直してみたいと思いました。