ホストファミリーになるには
ホストファミリーをしている、と言うと、ほとんどの人は「すごいね!」と驚き、そしてだいたい「うちは無理だわ!」と言います。
無理だと思う理由は様々。
1.英語が喋れない
日本に来る学生の目的は様々なので必ずしも英語が話せる必要はありません。
我が家に今来ている蘭蘭は日本語を勉強するために来ているので、家での会話は日本語です。
2.部屋がない
これも家族が多い家は仕方ないことですが、必ずしも個室を与えることを条件としていない事もあります。同性とであれば家族と同じ部屋で寝ても良いという条件の場合もあります。でも1、2泊ならともかく、私ならせめて個室は欲しいと思うので、部屋がないのはちょっと難しいかもしれません。
3.自分の家族の面倒だけでいっぱいいっぱい
これも仕方ないですよね。でも大学生や社会人のホームステイヤーなど相手がある程度大人であれば、あれこれ世話をやいてやる必要はなく、結構ほったらかしにしちゃっても大丈夫なんです。
4.家族が嫌がる
意外と多いのがこれ。自分は興味があっても、家族の中に「家の中に他人を入れるのが嫌だ」という人がいると、ホストファミリーは無理でしょう。
ホストファミリーになる条件として「家族皆が受け入れを賛成していること」というのはよくある項目。誰か1人でも反対していると、来てくれる学生はもちろん、家族みんなが嫌な気分になってしまいます。
だいたいよく出会うできない理由はこんな感じです。
自分はやりたいけど・・・という4の理由が一番残念ですが、やはり「家族として受け入れる」という前提のホームステイですからなかなか難しいところ。
確かに他人を家に入れるというのは、特に日本のように狭い住宅事情の中では厳しいものもあると思います。私もこれまで2度のホームステイを始め、海外でたくさんのお宅に行ったことがありますが、どこも日本の我が家より遥かに大きなお宅で、バスルームもたくさんあるような家ばかりですから。
我が家なんてマンションなのでお風呂どころかトイレも1つ。
最初は気を使うなという方が無理な話ですが、こればかりはどうしようもありません。これが日本のスタンダードなんだ、と受け入れてもらうしかありません。
ホスト、どうする?
実は夫の癌が発覚した時、蘭蘭は夏休みのため中国へ一時帰国中。
彼女は夏休みが終わったらまた我が家に戻って来る予定でした。
彼女が我が家に戻って来る予定だった日が、まさに夫の手術日になってしまったのです。その時点ではまだ彼女が何時に戻って来るのか分からず、私もその後の夫の入院などで自分たちの生活がどの程度影響を受けるのか分からず、果たしてこの状況の中でホストファミリーとしての機能を果たせるのだろうかと不安でした。
ただ同時に、どちみち私はその間仕事をしなければならないし、子どもだってそのうち夏休みが終わって学校に通わなければならない。だから、夫が入院していようが、私たちは今まで通りの生活をしなければならない。
そういう状況で、この家に娘と私の2人きりになってしまうというのも、また同じように不安だったのです。彼女が1人この家にいてくれるだけで、家の中が和むのではいう思いもあったのです。
ここは思い切ってホストを辞退すべきなのかどうか、悩みました。
しかし、事が急すぎて、これから長期のホストがすぐに見つかるのかという不安もあり。何しろ彼女が帰ってくるまで1週間を切っていたのです。
彼女は当然またうちに帰ってくるつもりで帰国しているので、我が家には彼女の大量の荷物が残ったままだし、これからホストチェンジとなるのは色々大変そう。
私が1人思い悩んでいると、夫が不思議そうに一言。
「別に彼女には関係ないじゃない?帰って来てもらえばいいのに」
・・・・。
この一言で吹っ切れました。
そうか、帰ってきてもらえばいいのか。
もし、彼女のホストをしてくれる家庭がほかにもたくさん控えているなら、ここで他の家庭にバトンタッチすることもいいのかもしれません。でも、土地柄この辺ではまだホストファミリーをしている家庭が少ないようで、代わりの家庭もあまりないんだと以前聞かされていたこともあって、今回はまた引き受ける覚悟を決めました。
結局彼女が帰ってきたのは手術日の夜だったので、全く問題なく迎えることができました。無邪気に夏休みの事を話してくれる蘭蘭を見てると、やっぱりこの子が来てくれて良かったと思えました。
彼女は休み中家族でいろんな所に旅行したみたいで、たくさん思い出を作ってきたみたいです。
次の冬休みまで、また一緒に頑張ろうね。
初めてのホストファミリー
我が家が初めてホームステイを受け入れたのは、まだ子どもが生まれる前の話です。
うちは夫婦揃って海外でのホームステイ経験があり、加えて海外旅行や国際交流にも興味があったので、いつかマイホームを持ったら留学生を受け入れたりしたいね、とずっと話していたのです。
それで家を買う時にも、留学生を受け入れられるように余分な部屋を設けていました。
しかし、ホストファミリーなんて、一体どうやってなればよいのやら・・・。
そこで、通学範囲内の大学のホームページをあたってみることにしたのですが、そこでいきなりヒット!
私がたどり着いたのは、提携校のアメリカの大学で日本語を専攻している学生のグループがやってくるのでそのプログラム内の週末だけの2泊3日のホストファミリーを募集します、というものでした。
早速それに応募して受け入れたのがうちに来た最初のホームステイヤ―でした。
まだ空き部屋はあるけどベッドはない・・・という状態でしたが、まあ2泊だし・・・と思ってフローリングに布団をひいて寝てもらう事に。
我が家にやってきたのは19歳のヘザーという白人の女の子。
かわいいし感じもいいし日本語も話せるし、初のホームステイヤーとしては申し分ない子でした。
週末だけの短期で私たちも初めてのホストという事で、観光地や野球観戦などはりきって色々連れて行きました。
ボランティアでの受け入れでは「観光にかかるお金や外食費は本人に払わせてください」などと最初にもらう書類に書かれていたりすることが多いですが、さすがに大学生からお金を取るのもはばかられ、またいい所を見せたい気持ちもあり、全部我が家で持ちました。
特に短期の場合はお客さんが来たような扱いをするホストファミリーが多いような気もします。
たまにやる週末だけのホストなら、こういうのも楽しいと思います。
ホストファミリーをしてみたい・・と思っておられる方は、まずはこういう短期受け入れから始めてみるといいかもしれません。
ヘザーとはその後もやりとりが続き、この2年後にヘザーのお母さんとボーイフレンドを連れて再び遊びに来てくれたりしました。
今はアメリカで理科の先生をしていますが、私たちに子どもが生まれた時にはお祝いの洋服を送ってくれたりもして、今でも交流が続いています。
アメリカから届いた出産祝い
日本にいながらいろんな人と出会えるのがホストファミリーをする醍醐味です。