ホスト、どうする?
実は夫の癌が発覚した時、蘭蘭は夏休みのため中国へ一時帰国中。
彼女は夏休みが終わったらまた我が家に戻って来る予定でした。
彼女が我が家に戻って来る予定だった日が、まさに夫の手術日になってしまったのです。その時点ではまだ彼女が何時に戻って来るのか分からず、私もその後の夫の入院などで自分たちの生活がどの程度影響を受けるのか分からず、果たしてこの状況の中でホストファミリーとしての機能を果たせるのだろうかと不安でした。
ただ同時に、どちみち私はその間仕事をしなければならないし、子どもだってそのうち夏休みが終わって学校に通わなければならない。だから、夫が入院していようが、私たちは今まで通りの生活をしなければならない。
そういう状況で、この家に娘と私の2人きりになってしまうというのも、また同じように不安だったのです。彼女が1人この家にいてくれるだけで、家の中が和むのではいう思いもあったのです。
ここは思い切ってホストを辞退すべきなのかどうか、悩みました。
しかし、事が急すぎて、これから長期のホストがすぐに見つかるのかという不安もあり。何しろ彼女が帰ってくるまで1週間を切っていたのです。
彼女は当然またうちに帰ってくるつもりで帰国しているので、我が家には彼女の大量の荷物が残ったままだし、これからホストチェンジとなるのは色々大変そう。
私が1人思い悩んでいると、夫が不思議そうに一言。
「別に彼女には関係ないじゃない?帰って来てもらえばいいのに」
・・・・。
この一言で吹っ切れました。
そうか、帰ってきてもらえばいいのか。
もし、彼女のホストをしてくれる家庭がほかにもたくさん控えているなら、ここで他の家庭にバトンタッチすることもいいのかもしれません。でも、土地柄この辺ではまだホストファミリーをしている家庭が少ないようで、代わりの家庭もあまりないんだと以前聞かされていたこともあって、今回はまた引き受ける覚悟を決めました。
結局彼女が帰ってきたのは手術日の夜だったので、全く問題なく迎えることができました。無邪気に夏休みの事を話してくれる蘭蘭を見てると、やっぱりこの子が来てくれて良かったと思えました。
彼女は休み中家族でいろんな所に旅行したみたいで、たくさん思い出を作ってきたみたいです。
次の冬休みまで、また一緒に頑張ろうね。