広島74年目の原爆の日
広島に原爆が投下されて74年目の8月6日。
広島出身者として今日はこの話題に触れずにはいられまい。
広島ではだいたいこの日は学校の登校日で、それぞれの学校で平和教育が行われることが多い。特に広島市内にある学校では原爆によって校舎や生徒に被害が及んだところも多く、学校での慰霊祭が行われるところも。
そして被爆者の方から直接体験談を聞いたり、原爆に関する映画やドキュメンタリーを見た記憶がある。
私の周りには直接被爆した人はいなかったけれど、それでも広島で育ったものとしての何か戦争を二度と起こしてはならないというなんか根拠のない使命のようなものはある。
毎年NHKで8時から始まる平和祈念式典の中継を見て、原爆投下時刻の8時15分に黙とうを捧げる。あの瞬間、突然太陽のようにまぶしい閃光を浴びて訳が分からないまま吹き飛ばされた人たちの事を思う。
一瞬にして大切なものを、未来を、全てを奪われた人たちの事を思う。
小さい頃は、原爆がたくさんの人の命を奪ったこと、たくさんの人が死んだという事を思い、資料館で見た焼けただれた人のようになって死ぬことが怖かった。もしまた原爆が落ちたらどうしようと、夜になると怖くなった。
でももう少し大きくなった時、生き残った人たちの苦労を知った。
家族や家や、健康だった自分自身までを失って、それでも生き残った人たち。
必死で自分を瓦礫の下から助けてくれた恩人を「なんで助けたのか」と恨んだ。
死んでしまった方が良かったほどに、生き残った世界は残酷だった。
私たちには想像ができない世界を生き延びてきた人たち。
二度と繰り返してはならない歴史。
この春、広島の平和記念資料館がリニューアルを終えた。
どうかたくさんの人に広島を訪れ、平和の尊さを実感して欲しい。